ご挨拶
理事長
施設の玄関前にはツツジの植え込みと大きなキンモクセイが時期になると花をつけ、あたりの花の匂いを漂わせます。こんな1本1本の木々はすべて頂いたものです。
建設当時は予算もなく、広い敷地に建物がポツンと1棟あるだけ、 建物の中も外もガランとして何ともさびしく、職員もさて一体何からはじめていいのかと見当もつきませんでした。そんな中、利用者が一人 また一人と入居し、植木があるから取りに来ればいいと言ってくれる人、使えるものがあれば使ってほしいと寄付してくれる人、思えば様々な地域の人たちの御協力を頂きながら始まった偕生園でした。
偕生園運営方針の中に「社会福祉施設は地域の社会資産であり・・・」 という一文があります。これは前理事長時代からの言葉でもあり、公的な資産が投入される福祉施設の職員や物は、地域により多くを還元しなければならない、と言う考えだとも思っています。その考え方の背景には、施設設立当初からの様々な人のご支援に応えるという気持ちが込められていると感じています。
介護保険制度が始まり10年あまり、介護がこれ程必要とされる時代は私共も予想していませんでした。また、これ程の多種多様な介護サービスが始まるとも思っていませんでした。しかし基本的には介護とはそのサービスを通じ家族や家庭を持つ機能を補完するものであり、決してビジネスで割り切ってはならないものだと思っています。
おかげで、市内4拠点にそれぞれの役割を持つ福祉施設を運営でき る法人となり、多くの入居者、利用者またそのご家族、更には働く職員に場あるいは空間を提供することが出来ております。まことに有難く感謝申し上げる次第です。30年に亘って、ご支援とご協力頂きました皆様方に厚くお礼申し上げます。今後も、法人のたどってきた伝統を守り、地域に私共の持つささやかな役を還元して行きたいと思っております。
更なるご指導とご鞭撻をお願い申し上げ、ご挨拶と致します。
